WHAT IS WAX? ワックスの基礎知識

ワックスとは

定義

ワックスを表す言葉は、ハチの巣(ミツロウ=BEES WAX)から来ています。ハチの巣は六角形の穴が無数に並んでおり、それぞれの部屋には卵や蜜が詰められ、ミツロウで蓋をされた状態になっています。
当時の人たちは、ハチの巣から採れた天然油脂を精製して利用し、それが「Wax」と呼ばれるようになりました。

ワックスの定義

歴史

ワックスの歴史は古く、防腐剤が使用されていたことは有名です。古代エジプトではミイラづくりで、遺体の保存のために防腐剤として「ミツロウ」が使用されていました(これが「Mummy(ミイラ)」の語源と言われています)。
時を経た現在でも、ろうそくや医薬品、クレヨン、化粧品、手芸用品、光沢剤、潤滑油、鋳造用ワックス、ガムベースなど、身の回りのさまざまな分野で使用されています。

ワックスの歴史

ワックスの用途 〜実は身近なところで活躍する原料〜

家庭内/住宅

フローリング、家具、つや出し剤、クリーナー、紙コップ、クレヨンなど

自動車/工業

タイヤ、ゴム製品、カーワックス、防錆油

食用品/化粧品

ガムベース、医薬品、口紅、クリーム、整髪料などの基材

その他/専門分野

精密鋳造用ワックス、コピー・インク等、雪道の凍結防止剤の基材

天然ワックス

天然の動植物や鉱物から採取・精製されるもので、自然界に存在する成分です。天然ワックスは環境にやさしく、生分解性が高いのが特徴で、さまざまな分野で活用されています。

カルナバワックス

カルナバワックス

カルナバワックス(カルナウバワックス)は、南米原産のカルナバヤシから採取される天然ワックスです。上質な光沢、シャープな融点・凝固点を特徴としています。その多用性から、非常に幅広い業界で活用されています。

キャンデリラワックス

キャンデリラワックス

ワシントン条約によって国際取引が規制されており、比較的希少性の高いワックスです。メキシコ北部のチワワ砂漠地方に分布しているキャンデリラという灌木植物から採れ、自社精製しています。

ミツロウ

ミツロウ

ミツバチの巣を加熱・融解して得られる天然ワックスです。古くは古代エジプトから活用されており、現代では化学合成品で代替が困難な幅広い用途に使用されています。

モンタンワックス

モンタンワックス

モンタンワックスは、第三紀に繁茂していた植物の分解成分であるビチューメン(炭化水素化合物)含有の褐炭から抽出されます。長鎖エステルを主に含み、インキやキャスティングワックスなどの用途があります。

石油ワックス

石油ワックス

石油ワックスは、世界のワックス市場の約87%を占めています。石油中に存在する固体の炭化水素で、その原料や精製方法によって、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムといったさまざまな種類に分類され、多彩な用途に用いられます。

アラビアガム

アラビアガム

マメ科アカシア属の樹から採取される樹液を乾燥させて得られる天然ワックスです。水溶性が高く、乳化剤・粘着剤として食品や医薬品、化粧品などに用いられています。

合成ワックス

化学的に合成して作られるワックスで、目的の用途に合わせて融点や硬度などの性質を調整できます。品質が均一で安定供給が可能なため、多くの工業製品に使用されています。

FTワックス

FTワックス

加藤洋行で主に取り扱っているFTワックス(フィッシャー・トロプシュワックス)は、南アフリカのSasol社が天然ガスを原料として製造しているFTワックス(SASOLWAX)です。高融点かつ低い溶融粘度で、熱安定性が良い硬質なFTワックスです。

合成ワックス

化学的に合成して作られるワックスで、目的の用途に合わせて融点や硬度などの性質を調整できます。品質が均一で安定供給が可能なため、多くの工業製品に使用されています。