ワックスの基礎知識

ワックスとは

定義

ワックスと言えば、カーワックスやヘアワックスを思い浮かべますが、ワックスの定義は「常温で固体または半固体のアルキル基をもつ有機物で、常温から100℃付近までの温度範囲で溶融し、溶融粘度の低いもの」とされています。
その語源は、ミツロウ(蜜蝋)を意味するアングロ・サクソン語の「weax」だと言われています。

歴史

ワックス(蝋)の歴史は古く、紀元前4200年前までさかのぼることができます。古代エジプトにおいて、ミツバチの巣から採集した「ミツロウ」は、ミイラの保存や彫刻材などに利用されていたようです。
現代社会においては、その用途は広がり、化粧品、化学紙、印刷インキ、タイヤ、鉛筆、紙コップ、インクリボン等々、多くの工業製品、日用品に使用されています。

ワックスの用途〜実は身近なところで活躍する原料〜

ワックスの種類

  • カルナバワックス(天然ワックス)

    ​カルナバワックス(カルナウバワックス)は、南米原産のカルナバヤシから採取される天然ワックスです。上質な光沢、シャープな融点・凝固点を特徴としています。その多用性から、非常に幅広い業界で活用されています。

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    カルナバワックス
  • キャンデリラワックス(天然ワックス)

    ​​ワシントン条約によって国際取引が規制されており、比較的希少性の高いワックスです。メキシコ北部のチワワ砂漠地方に分布しているキャンデリラという潅木植物から採れ、自社精製しています。

    キャンデリラワックス
  • ミツロウ(天然ワックス)

    ​​ミツバチの巣を加熱・融解して得られる天然蝋です。古くは古代エジプトから活用されており、現代では化学合成品で代替が困難な幅広い用途に使用されています。

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    ミツロウ
  • モンタンワックス(天然ワックス)

    ​​​モンタンワックスは、第三紀に繁茂していた植物の分解成分であるビチューメン(炭化水素化合物)含有の褐炭から抽出されます。長鎖エステルを主に含み、インキやキャスティングワックスなどの用途があります。

  • 石油ワックス(天然ワックス)

    ​​​​石油ワックスは、世界のワックス市場の約87%を占めています。石油中に存在する固体の炭化水素で、その原料や精製方法によって、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムといったさまざまな種類に分類され、多彩な用途に用いられます。

  • FTワックス(合成ワックス)

    ​​​加藤洋行で主に取り扱っているFTワックス(フィッシャー・トロプシュワックス)は、南アフリカのサゾール社が天然ガスを原料として製造しているサゾールワックスです。高融点かつ低い溶融粘度で、熱安定性が良い硬質なFTワックスです。

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    FTワックス
  • ポリオレフィンワックス(合成ワックス)

    ​​製造方法によって性質が変わるポリオレフィンワックスは、ポリエチレンの低分子量品であるポリエチレンワックスとポリプロピレンの低分子量品であるポリプロピレンワックスに大別されます。

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